A. 2~3歳の頃のお子さんのお困りごとで、筆頭に上がる「イヤイヤ期」。
「このままワガママに育ってしまったらどうしよう」「厳しく叱ってしつけをしたほうがいいのかしら?」と悩んでしまいますよね。
けれど、子どもの心理発達の観点からすると、イヤイヤ期は「おめでとう!」といってもいいくらい、「そこまで認知発達が進んだ」という証なのです。
たとえば、これからお出かけするときに、出先で「トイレに行きたい」と言われると困るので、まずはトイレを済ませておきたい。
けれど、お子さんが遊びに夢中で「トイレに行こうね」と聞いても「イヤ!」と言われてしまい、イライラ…なんてよくあることですね。
でも、そこでイライラする前にちょっと冷静になって、こう考えてみてください。
今トイレに行くということは、楽しい遊びをやめなければならないことをちゃんとイメージでできているのだな…と。
遊びを中断してまでトイレに行きたいわけではないので、「イヤ」と言っているのです。
つまり、イヤなのは遊びをやめることなのですが、「今、楽しいから中断したくないからトイレは後にしてほしい」などと、大人のように交渉できるまでの言語レベルには達していないだけなのです。
発達の段階から見ると「自分の考えが言える」ところまで到達した証。
そう思えば、「イヤイヤ期」のお子さんへのイライラも軽くなるのではないでしょうか。
〈回答監修者〉沢井 佳子
(一社)日本こども成育協会 理事
認知発達支援と視聴覚教育メディア設計を専門とする。
お茶の水女子大学大学院修了。発達心理学専攻。
幼児教育番組『ひらけ!ポンキッキ』(フジテレビ)の心理学スタッフ、
静岡大学情報学部客員教授等を歴任。チャイルド・ラボ所長。
幼児教育シリーズ『こどもちゃれんじ』(ベネッセ)、
幼児教育番組『しまじろうのわお!』(テレビ東京系列)等を監修。
人工知能学会「コモンセンスと感情研究会」幹事。
日本子ども学会常任理事。